「40年頑張った金歯」

歯の詰め物が取れてしまったので、ある縁で表参道の歯医者さんに行った。都会のど真ん中の、現代的で洗練された歯医者さんだ。
取れた箇所の隣の歯も、まだ生きてはいるが金縁の古臭くて黒ずんでいるものだったので、それも直してもらうことにした。歯医者さんはその隣の歯を見て目を丸くして驚き、その直し方は「カイメンキンカン」という大昔の直し方であり、今はめったに見かけることはできない大変珍しい直し方である、と教えてくれた。先生はその被せてあった金歯を、貴重なものだから、とお土産にくれた。
考えてみると、40年も前の僕が小学校のころ、石巻の実家の近くの、おばあさんが一人でやっている歯医者さんで直してもらったものだった。よくもそんなに長い間頑張ってくれたものだ、とあとで感動が押し寄せてきた。
まあ、だからと言って小箱に入れて大事に取っておく気にはならないけれど・・・。










